最近、私はジムでのトレーニングを再開した。元アスリートとして、またトレーニング系の資格を持つ身として感じるのは、今の「ボディメイクブーム」への若干の違和感。
SNSで見るような上級者の真似をして、いきなりハードなトレーニングや極端な食生活を始めるのは、特にアラフォー世代にとっては怪我や挫折のリスクでしかない。
健康を目的にするなら、やるべき「正しい段階」がある。
この記事では、筋肉を大きくすることではなく、「健康体」を手に入れるためのやるべきことを段階追ってを解説する。
トレーニングをしてみたい、これから始めるという人、健康的な生活をしたい、という人はこれらのステップを振り返ってみて、できることから始めてみて欲しい。
ポイントは、「健康のためにまずはジム行って筋トレをするということではない」
初心者にはその前にやるべきことがある、ということ。

睡眠【自分にあった入眠習慣を見つける】
健康になるために最も重要なのは睡眠。これだけは間違いない。
「トレーニング・栄養・睡眠」はトレーニングにおいて重要な3要素だが、睡眠が不足していては身体的・精神的な回復が追いつかない。そもそも睡眠時間を確保できていない状態でジムに行くのは、健康の土台を自ら崩しているようなもの。特に生活が最も忙しくなり、バランスを崩しやすいアラフォー世代は、睡眠が十分でないことが多い。
ジムに行く前に快適な睡眠を確保しよう。
どれくらいの睡眠時間が必要か。厚生労働省のHPでは6~8時間が適正だと考えらえている。
これまで明らかになった科学的知見に基づくと、成人においては、おおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられ、1日の睡眠時間が少なくとも6時間以上確保できるように努めることが推奨されます。
出典:健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省HPより
快適な睡眠を確保するために必要なことは、自分にあった入眠習慣をみつけること。
毎晩の眠る前に特定の習慣に繰り返し取り組むと、脳や身体に「これをやったら眠るんだ」という条件付けがなされ、スムーズな入眠の助けになります。
出典:睡眠学者・柳沢正史が教える「よりよい睡眠のための12箇条」:株式会社S’UIMIN HPより
ちなみに俺の場合は、
入浴→歯磨き→日記を書く→ベッドへ移動→寝る
みたいに一連の流れを作ることができている。習慣化されていくと、身体が眠るための準備を一緒にしてくれている感じになる。
睡眠については、「睡眠学者・柳沢正史が教える「よりよい睡眠のための12箇条」(株式会社S’UIMIN HP)がとても参考になる。また書籍もあるので、チェックしてみるのも良い。
食事【最適なバランスで適量を楽しく摂る】
「You are what you eat.(あなたは、あなたの食べたものでできている)」
ボディビル選手の食事を真似るような過度な制限や偏食は十分に注意した方が良い。
彼らの食事法はあくまで「コンテストに出場するアスリートレベル」だということ。ほとんどの一般人には縁遠い話だ。
食事はあくまで最適なバランスで適量を楽しく摂る。
まずはここからだと思う。注意すべきポイントは以下。
- 三大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)は足りているか
- 外食で脂質や塩分を取りすぎていないか
- 飲酒の頻度は適切か
これらを踏まえると、まずやるべきことは、
「自分の栄養状態を把握すること」だと思う。
まずはここから。
普段自分がどのタイミングで何をどれくらい食べているのかを把握するところから。
カロミルやあすけんなど、健康管理のアプリを使うのも良い。
お風呂【ぼーっとする時間】
我が家は今年の冬、毎日お風呂に浸かるようにしている。
お湯に浸かることは、単に身体を温めるだけでなく、スマホやネットから自分を隔離し、ぼーっとする貴重な時間にもなる。
ただ単に入浴をするのではなく、適切な温度と時間、そしてタイミングで入浴をすることは入眠に効果的とされている。
厚生労働省のHPの「快眠と生活習慣」(e-ヘルスネット)によると…
- タイミング: 就寝の1~2時間前の入浴が理想的
- 温度と入浴時間:40℃で10~15分ほど、または40℃で30分の半身浴でも効果的とされている
- 効果: 一時的に上げた深部体温が下がるタイミングで寝付きが良くなる
入浴には「温熱・静水圧・浮力」という3つの大きな健康効果があると言われている。詳しく知りたい方は、日本入浴協会のHPで解説されている。
- 温熱作用:血流を良くし、疲労物質の排出を促す。
- 静水圧作用:適度な水圧が脚の血液を心臓へ戻すのを助け、むくみを解消する。
- 浮力作用:体が軽くなったように感じ、筋肉の緊張が解けてリラックスできる。
【注意点:ヒートショックへの配慮】
お風呂は素晴らしい習慣ですが、冬場は「ヒートショック」への警戒も必要です。消費者庁の注意喚起によると、温度差による急激な血圧変動が事故の原因となるため、脱衣所を暖める、お湯の温度は41度以下にするなどの対策が推奨されています。
出典:冬季に急増する入浴中の事故に御注意ください!(消費者庁)
散歩【無料でできる最高の有酸素運動】
忙しい世代こそ、通「ただぼーっと歩く」時間を作れると良い。
時間を作る、という意味ではハードルはあるが、ぜひ通勤ではないタイミングでの散歩をお勧めする。
また20分程度の運動は有酸素運動となり、脂肪燃焼のスイッチが入るとも言われている。
公園や河川敷などの自然のあるところを歩けば、よりリラックスした気分になれるし、その道中に坂道や階段なんかがあれば、それだけでも立派なトレーニングになる。
またウェアやシューズを買ってみて、気分を上げて楽しむこともできる。
歩くことは運動習慣のなかでもハードルが低く、かつ気分転換にもなる。
家でのトレーニング【まずは自重トレーニングで十分】
ようやく筋トレの登場。
正直、初心者の方がいきなりマシンを使う必要はない。まずは「家トレ(自重トレーニング)」で自分の体重をコントロールする感覚を持つことが大事。
種目も簡単。
腕立て伏せとスクワットだけでも十分だと思う。
私見で恐縮だが、
「腕立て100回ができないのに、ベンチプレスやる必要はない」と言わせて頂く。
それだけ自重トレーニングは身体活動において重要であるのと、重りを使ったトレーニングはリスクがあるということを理解してほしい。
もし自重でやって、物足りなくなった時に、初めて次の段階を検討していい。
大事なことは無理をしすぎず、安全に自分のペースで行う。
ヨガ・ピラティス【ちょうどよい】
重りを扱うジムより怪我のリスクが低く、アラフォーの身体には「ちょうどよい」。
自重トレーニングにバランスや体幹トレーニング、呼吸の要素を入れることでより効果が高まる。
この段階で用意するのは「ヨガマット」。
それだけで自宅のトレーニング環境が劇的に変わる。
いまではyoutubeでいくらでも動画が出てくる。
自分に合いそうなレベルのものを試してみるだけで良い。
ちなみにヨガとピラティスは全然違うもの。
- ヨガ:呼吸法や考え方、生活など、マインドフルネスとも親和性が高い。呼吸の心地良さを持ちながら行う。様々な種類(流派)のヨガがある。
- ピラティス:リハビリトレーニングにルーツがある。体幹を主に安定させながら筋力のトレーニングを行う。リフォーマーという独自の機器を使う。
興味が湧けば、専門のスタジオ(クラブピラティス等)でプロのレッスンを受けるのも、モチベーション維持やレベルアップに最適。
ちなみに俺はクラブピラティスに通っていたが、レベルに合わせて様々なレッスンを受けることができて、楽しい。おすすめ。
ジム【パーソナルトレーニングがおすすめ】
最後にようやく「ジム」に行く。
ジムに行くとは、すなわち重りを使用したウェイトトレーニングするということ。
ウェイトトレーニングは筋力向上するために非常に有用。
しかし、正しいフォームの習得には練習が必要。また効果的なメニューの組み方、セット数などの知識も必要となるため、初心者が独学でやるにはハードルが高い。
初心者へのおすすめは「パーソナルトレーニングを受けること」。
プロにマンツーマンで見てもらうことが、安全に継続することへの一番の近道になる。
マシンの使い方や、身体の動かし方、重さの設定など、トレーニングについて多くのことを教えてもらえる。
パーソナルトレーニングを行うジムは多くあるが、通い方のおすすめは「まずは近所で通いやすいところで試す」だ。
アクセスの悪さは、継続において大きなハードルになる。
「試す」ということも重要。合う合わないがあるのは当たり前なので、気軽に変更できることは安心感にもつながる。
ジムの中でパーソナルトレーニングを受けられるところもある。そういうのもおすすめ。そのあとに自分でトレーニングをできるようになる。
あとがき【自分のペースで健康を目指す】
今は空前のボディメイクブームだが、SNSで見かける筋トレYouTuberたちのやり方は、多くの場合「競技レベル(アスリート)」のもの。
見た目もかっこいいし、そのライフスタイルも華やかで真似したくなる。
その気持ちはわかる。
でも私たちアラフォーが目指すべきは、競技者ではなく「健やかな日常」のはず。
焦らずにあくまで自分のペースで一つ一つできることからやるのが良い。




コメント