裸の文豪

夕暮れ時、湯船に浸かりながら曇った窓の外を眺める人物のシルエット

風呂に入るのは日課。
一日の疲れや汚れを洗い流してリフレッシュする大事な時間。

風呂の中では、あらゆるデバイスから解放され、完全に裸になれる。
どこにいってもネットで繋がる今の世界では、ここが最後の安息地かもしれない。

そんな安息地でお湯に浸かり、ただぼーっとする。

すると少しずつだが、自分の中の文豪が現れてくる。

今日一日あったことを振り返ったり、
最近のモヤモヤを思い出したり、ハッピーな気分に浸ったり…。

本を読むような速さで、頭の中が文章化され、そして滑らかに流れていく。

この文章が書籍化された暁には、本屋のどの棚に置いたらいいか大いに迷うんじゃないか…。

「あー今のこの流れていった文章を全て残せたら最高なのにな…」

もし風呂から出てしまえば、あれだけ深かった思考やアイデアも汗や疲労感とともにきれいさっぱり流されていってしまう。
残念ながら風呂で出会った裸の文豪は、風呂の中でしか活動できない、

それでも、何とかさっきの文章を形に残したい。
何とか思い出そうとしているが、服を着てしまった今、文豪はもう現れなくなってしまったようだ。

夕暮れ時、湯船に浸かりながら曇った窓の外を眺める人物のシルエット

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