シンプリストになりたいけど、モノは減らせない人へ

白い背景にガラスの花瓶へ活けた一枝の葉。シンプルな暮らしを象徴するイメージ

以前、賃貸のエアコンが壊れてしまい、急遽ホテルで4泊5日を過ごすことになった話を書きました。

シンプリスト思考で持ち物を最小限にすると迷いが減る理由
荷物を最小限にして過ごしてみたら、不思議と身軽で、頭もすっきりしていた。そんな体験でした。

ただ、あのときの気づきは「モノを減らせば快適になる」という単純な話だけではなかったように思います。

荷物を絞ったのは、あくまで数日間・ホテルという特殊な環境での話でした。
実際の自分の部屋やクローゼットは、できる限り不要なものは持たないようにしていますが、それでもどこか雑多な感じがしています。

「シンプリストになりたいけど、モノは減らせない」

今回は、そんな矛盾について考えてみます。

目次

こんな人に読んでほしい

  • ミニマリストやシンプリストという生活に憧れているけれど、実際に部屋がなかなか片付かない
  • モノを減らしたい気持ちはあるのに、いつも後回しになってなかなか減らない
  • ミニマリストとの違いが、なんとなく分からない

こうしたことに心当たりがある方に向けて書いています。

結論から言うと、モノを減らせていなくても、シンプリストの入口に立つことはできると思います。
その理由を、順を追って説明していきます。

そもそも「シンプリスト」とは何なのか

「シンプリスト」という言葉から連想されるのは、多くの場合「モノを持たない、効率的な暮らしをしている人」というイメージだと思います。実際、世の中の解説記事の多くも、そういった説明の仕方をしています。

ただ、本来この言葉が指しているのは、必ずしも「モノの数を減らすこと」だけではないようです。
書籍『シンプリスト生活』(Tommy著)では、シンプリストとはモノの数そのものより、自分にとって何が大事かを選び取ることに重心がある考え方として紹介されています。

シンプリストとミニマリストの違い

似た言葉に「ミニマリスト」があります。
この言葉を日本に広めた書籍『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』(佐々木典士著)では、ミニマリストとは、本当に自分に必要なモノがわかっていて、大事なもののために他を減らせる人だと述べられています。

海外のミニマリズム運動を代表する一人、ジョシュア・ベッカー氏も、著書『より少ない生き方』の中で、一番大切にしているものを最優先し、それ以外を手放すという考え方を紹介しています。

3冊の内容を自分なりに整理してみました。

シンプリストミニマリスト
判断の軸自分にとって大事かどうか自分にとって必要かどうか
モノを減らすこと目的ではなく、選択肢の一つ大事なものを見極める手段
モノの数多くても構わない少ないことが前提になりやすい
共通すること自分にとって大事なものを選び取る自分にとって大事なものを選び取る

こうして見比べると、実はシンプリストもミニマリストも、本質的にはそう変わりません。どちらも「自分にとって大事なものを選び取る」ことを軸にしている点は共通しています。

違いがあるとすれば、「モノを減らすこと」を前提にしているかどうかです。実際、『シンプリスト生活』の著者Tommyさんは、自宅に椅子を5脚、照明を4台持っていると明かしています。「減らすこと」は目的ではなく、あくまで選択肢の一つに過ぎない、ということです。

つまり、「シンプリスト=部屋にモノが少ない人」というのは、あくまで分かりやすい一例であって、本質ではないのかもしれません。

3つの物差しで、自分をチェックしてみる

シンプリストという考え方は、実は「モノ」だけでなく、モノ・時間・人間関係という3つの物差しで、それぞれグラデーションになっていると捉えると、少し景色が変わってきます。

以下の3つ、自分に当てはまるか、一度チェックしてみてください。

  • モノ(持ち物・部屋):お気に入りだけに囲まれている感覚がある
  • 時間・やること:「やりたいことだけやる、やりたくないことはやらない」という判断が、自然にできている
  • 人間関係:今関わっている人・場所が、自分にとって大事か、という観点で絞られている

私自身の例で言うと

  • モノ(持ち物・部屋)
    絞っているつもりでいましたが、改めて見直すと、机の上のケーブル類や積まれた本、クローゼットの着ない服など、そこまでできていない部分がたくさんあります。
  • 時間・やること
    限られた時間の中で「本業と大学院、この2つに集中する」という判断は、迷わずできている実感があります。仕事や勉強に使える時間が限られているからこそ、逆に「やること」の取捨選択は自然と身についたのかもしれません
  • 人間関係
    今、関わっている場所は本業と大学院がほとんどで、それ以外の付き合いは自然と絞られています。無理に広げようとしていないだけかもしれませんが、これも自分にとっては、ちょうどいい距離感だと感じています

3つ全部にチェックがつく人は、そう多くないはずです。でも、1つでもチェックがついた方は、それだけでもう立派にシンプリストの一部です。全部が完璧に整っている必要はないと思います。

まとめ:モノを減らせなくても、居場所はある

「シンプリストになりたいけど、モノを減らせない」というのは、致命的な悩みでも失敗でもありません。
シンプリストは、部屋がきれいな人だけの称号ではないと思うからです。

「よし、来月までに片付ける」というような宣言を必要もありません。
ただ、モノ以外の場所にも目を向けてみると、案外もう始まっている部分があるかもしれない、という話です。

モノ・時間・人間関係、どこか1つの領域からで大丈夫です。
少なくとも自分は、時間の使い方くらいは、もうシンプリスト的な思考が始まっているんだと思うことにしています。

白い背景にガラスの花瓶へ活けた一枝の葉。シンプルな暮らしを象徴するイメージ

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